技術の進歩に、倫理は追いついていない ― 子どもに必要な「考える力」とは
AI、SNS、動画、検索。
子どもたちを取り巻く環境は、この10年で大きく変わりました。
便利になった一方で、保護者の方からは、こんな声もよく聞きます。
「何が正しいのか分からない情報が多い」
「簡単に答えが出てしまって、考えなくなっている気がする」
「この先、どんな力を身につければいいのか不安」
こうした不安の背景には、技術の進歩と、人が考えるための“物差し”のズレがあります。
技術は速く進む。でも「判断の基準」は置き去りになりやすい
新しい技術は、驚くほどの速さで普及します。
一方で、それをどう使うか、どこまで許されるのかという判断は、人それぞれに委ねられています。
たとえば、
- 便利だから使っていいのか
- みんながやっているから大丈夫なのか
- ルールに書いていなければ問題ないのか
こうした問いに、明確な正解はありません。
だからこそ今、「知っているか」よりもどう考えるかが問われています。
「考える力」とは、正解を早く出す力ではありません
考える力というと、
「頭の回転が速い」「ひらめきがある」といったイメージを持たれがちです。
ですが、実際に社会で必要とされるのは、もう少し地味な力です。
- すぐに答えを出さず、一度立ち止まれること
- 自分と違う考え方があると知っていること
- 「本当にそうだろうか」と問い直せること
これは、特別な才能ではありません。
日々の学習や会話の中で、少しずつ育っていく力です。
点数では測れない力こそ、時間をかけて育てる
テストの点数は分かりやすい指標です。
ですが、「考え方のクセ」や「判断の仕方」は、数字には表れません。
だからこそ、短期間で結果を出そうとすると、見落とされがちです。
私たちは、すぐに役立つ答えを教えることよりも、
自分で考え続けられる状態を整えることを大切にしています。
それは、AI時代でも変わらない、学びの土台になると考えているからです。
次回は、「考え方の違い」はどこから生まれるのか、という視点から、
子どもの理解の仕方について掘り下げていきます。
