家庭でできる“思考力の育て方” practical版 ― 特別な教材はいらない ―
「思考力を伸ばしたい」
これは、多くの保護者の方が感じている願いではないでしょうか。
ただ一方で、
「具体的に何をすればいいのか分からない」
「特別な教材や塾が必要なのでは?」
と不安になる方も少なくありません。
結論から言うと、思考力は家庭の中でも十分に育てることができます。
しかも、特別な教材は必要ありません。
思考力=難しい問題、ではない
思考力というと、次のようなイメージを持たれがちです。
- 難しい問題を解く力
- 頭の回転が速いこと
- IQが高いこと
しかし、実際の思考力とは、
「考えようとする姿勢」と「考える過程を大切にする力」のことです。
これは、日常の中のちょっとした関わりで育てることができます。
家庭でできる思考力育成① 「答えを教えない」関わり方
子どもが分からない問題に出会ったとき、
つい答えを教えたくなる場面は多いと思います。
ですが、ここを少しだけ我慢して、
こんな声かけをしてみてください。
- 「どう考えたの?」
- 「ここまでは分かってる?」
- 「他のやり方はありそうかな?」
正解よりも「考えた過程」に目を向けることで、
子どもは「考えること」に価値を感じるようになります。
家庭でできる思考力育成② 「言葉にさせる」習慣
思考力は、頭の中だけで完結しません。
- なぜそう思ったのか
- どこで迷ったのか
- 何が分からなかったのか
これを言葉にする経験が、思考を深めます。
うまく説明できなくても構いません。
途中で詰まっても問題ありません。
「考えを言葉にしようとすること」自体が、脳を育てています。
家庭でできる思考力育成③ 「失敗を止めない空気」
思考力が伸びない一番の原因は、
「間違えたらダメ」という空気です。
間違いを恐れると、次の状態に入りやすくなります。
- 考えなくなる
- 挑戦しなくなる
- 答えを探すだけになる
結果として、思考は止まってしまいます。
間違いは失敗ではなく、考える材料です。
安心して試せる環境が、思考力を育てます。
塾と家庭で、役割を分けて考える
塾は、
「考え方の軸」や「理解の道筋」を示す場所。
家庭は、
試して、間違えて、考え直せる場所。
この役割分担ができると、
子どもは安心して考える力を伸ばしていけます。
第9回のまとめ
思考力は、特別な教材や難しい問題で育つものではありません。
日常の声かけ、関わり方、空気づくり。
それだけで、子どもの考える力は大きく変わります。
家庭でできることは、実はとても多いのです。
次回予告(第10回)
思考力を育てる環境が整ってきたとき、次に多くのご家庭で悩みになるのが「スマホやゲームとの付き合い方」です。
第10回では、スマホ・ゲームと学力の本当の関係について、禁止か共存かという二択ではない視点から整理していきます。
