頑張っているのに伸びない理由 ― 中学生に多い勉強法の落とし穴

家庭で勉強を続けるための仕組みを考える親子のイメージ 読みもの

中学生の“勉強法の間違い” ― よくあるNGまとめ

前回のコラムでは、
「勉強を続けるためには、やる気よりも先に環境を整えることが大切」というお話をしました。

しかし、環境を整えても
「それなりに机には向かっているのに、成績が伸びない」
というケースは少なくありません。

その原因の多くは、努力不足ではなく「勉強のやり方」にあります。

今回は、中学生に特に多い“勉強法の間違い”を整理してみましょう。

NG① 「長時間やれば伸びる」と思っている

「今日は2時間勉強した」
それ自体は悪いことではありません。

ただし、時間=成果ではありません。

  • ぼんやり教科書を眺める
  • 分からないまま問題を進める
  • 答えを写して終わる

この状態で時間だけ増やしても、学力はほとんど積み上がりません。

大切なのは、どれだけ「考える時間」があったかです。

NG② 「ノートをきれいにまとめる=勉強」になっている

カラフルで整ったノートは、一見すると「よく勉強している」ように見えます。

しかし、ノート作りに時間をかけすぎてしまうと、
「考える」「解く」という本来の勉強から離れてしまうことがあります。

ノートは目的ではなく、考えるための道具です。

きれいかどうかよりも、
「後で見返したときに、考えた跡が残っているか」を大切にしましょう。

NG③ 「分からなくなったら、すぐ答えを見る」

分からない問題に出会うと、すぐに答えを確認する。
これも、とてもよくある行動です。

ですが、ここに大きな落とし穴があります。

学力が伸びる瞬間は、「分からない」と向き合っている時間です。

すぐに答えを見る癖がつくと、
「考える前に正解を知る」ことが当たり前になり、
自分の頭で組み立てる力が育ちにくくなります。

まずは
「どこまで分かって、どこから分からないのか」
を整理する時間を取ることが大切です。

NG④ 「全部を完璧にやろうとする」

まじめな子ほど、
「全部理解してから次に進まないといけない」
と思いがちです。

しかし、勉強は本来何度も行き来するものです。

最初は分からなくても、
進んだ後に戻ることで理解できることも多くあります。

完璧を目指しすぎると、

  • 進まない
  • 疲れる
  • 嫌になる

という悪循環に入りやすくなります。

塾と家庭で、役割を分けて考える

塾では「考え方」や「理解の軸」を育て、
家庭では「続ける環境」と「安心感」を整える。

この役割分担ができると、
勉強はずっと安定していきます。

やり方が合わないまま努力を重ねるより、
一度立ち止まって、やり方を見直すことが、
結果的に一番の近道になることもあります。

第8回のまとめ

成績が伸びないとき、
「本人のやる気が足りない」と考えてしまいがちです。

しかし実際には、
努力の方向が少しズレているだけというケースがほとんどです。

環境を整え、
やり方を見直す。

それだけで、勉強はずっと前向きなものになります。

勉強を「続けられる仕組み」が整ったあとに大切なのは、
正解を教えることではなく、考える過程を支えることです。

次回予告(第9回)

次回は、家庭の中で自然にできる
思考力の育て方についてお話しします。

▶︎ 第9回:家庭でできる“思考力の育て方” practical版 ― 特別な教材はいらない ―